窒素循環についての基礎的知識

 4月20日(金)のU研論文読み会で「脱窒と窒素固定には関連がある」というような話題が出ていたのですが、よく分からなかったので脱窒と窒素固定ってそもそも何だったのか?というところから調べてみました。そのメモです。


 恐らく、窒素固定をすると、水中内のアンモニア濃度が局所的に高まり、そのアンモニアの存在で窒素固定酵素の活性が下がるのだと思います。アンモニア濃度が高まると硝化が起こり、次に脱窒が起こるという順番なのではないでしょうか?まぁ、こんなにうまくいくとは思わないですが。。。硝化と脱窒は水柱でおこるプロセスなのだと思います。多分。
新しい知識

  • 窒素固定:ラン藻、細菌が行う、N_2からアンモニアへの変換のこと。
    • nitrogenase*1は酸素で阻害され、アンモニアで活性が落ちる。さらに硝酸によって酵素合成が阻害される。
    • nitrogenaseが酸素によって阻害されるが、嫌気的でない水柱で窒素固定は起こる。窒素固定は、異質細胞(heterocysts)という非常に頑健な細胞壁の中?で起こるため、酸素に阻害されずにすむ。
    • 異質細胞の呼吸速度は非常に速く、酸素をすばやく消費し、細胞壁が窒素と酸素の流入を防ぎ、さらに、異質細胞の中では酸素を生み出す光合成装置も欠損している。これらの特徴のため、異質細胞内は無酸素状態に維持される。
    • 窒素固定をする場である異質細胞は、窒素欠乏のもとでC:N比が8:1を超えると作られる。
    • nitrogenaseには鉄とモリブデンが含まれるので、環境中にそれらが少ないと窒素固定も制限される。
    • 鉄とモリブデンはチトクロム(葉緑体の色素?)とフェレドキシン(呼吸の電子伝達系に含まれる。)に使われるので鉄とモリブデンの競争で負けても窒素固定は起こりにくくなる?
    • 窒素供給源が他にないときには、窒素固定ラン藻のブルームが起こる。
  • 脱窒:通性嫌気性細菌による硝酸、N2ガスへの還元
  • 硝化:アンモニアを硝酸へと変換
    • 脱窒と硝化は密接に繋がっている。

*1:窒素固定を担う酵素