素朴な疑問

 寝る前にちょぼちょぼ読んでいるので全然進まないのですが、「植物のこころ」という本を読んでいます。わかりやすくて楽しい本です。


 この本に、植物と動物の細胞の分化の全能性とその全能性を持つことによる有利性の話が出てきます。「植物は一ヵ所に固定して生活する型の生物である。そのため、生活する環境に体のほうを合わせないといけない。(中略)そのためには、いつでも融通のきくよう、体の一部を常に胚と同じにして(全能性を持たせて)おくのが適切だったのだろう。」という記述です。


 不思議に思ったのですが、じゃあなんで動物にも全能性がある種類がいるのかな?ということです。しかも、線虫なんかは全能性の程度にばらつきがあるらしいじゃないですか。全身どこからでも一個体を作れるタイプから、上半身(っていうのか?)からしか再生できないタイプなど、色々だとか。そのバリエーションは何で決まってるんでしょうか?分化の全能性ってどれくらい適応度に貢献するんでしょうね?持っている全能性の程度*1って、三つくらいのパラメータで説明できないんでしょうか?環境変動と、系統的制約で決まる全能性の持ちやすさと、定住性の度合いとか。なんか、分散能力の進化の研究と裏表の関係にあるんじゃないでしょうか?


 なーんていうことを、つらつら考えるのがすごく楽しい本です。考えるだけですが(笑)。

*1:そんなの数値化できるかどうか知らないですが。。。