K研昼ゼミ-K君(B4)の論文紹介-

Social exploitation of hexamerin: RNAi reveals a major caste-regulatory factor in termites"*1
真社会性昆虫の昆虫であるシロアリ(Reticulitermes flavipes)を使って、ワーカーからプレソルジャー*2に変態する時に作られるタンパク質hexamerinが、変態へのプロセスのなかでどのような働きをするのかを調べた論文。


新しい知識又は耳学問

  • 社会性エビ!も世の中には存在するらしい。すげえや!この間そういえば社会性の魚の話があったなぁ。
  • 植物の中には(特に古い植物、シダとか?)昆虫の変態や成長を左右する物質を持っている種類があるらしい。



ワーカーがプレソルジャーになるためには幼若ホルモンなる物質が必要らしいのだけれど、それと変態時にHexamerinという物質も出てくるらしい。しかし、そのHexamerinが変態に必要な物質なのか、変態を抑制する物質なのかは分かっていなかった。そこで、HexamerinをRNAiなる手法で抑制させて、プレソルジャーになるかならないかを調べた。すると、Hexamerinは幼若ホルモンを抑制することで変態をおこらないようにする物質であることが分かったらしいです。ちなみにHexamerinは餌の供給状態?だか要求状態だかに左右されるらしく、餌が少なくなるとHexamerinを出して、コロニー内のワーカー個体の頻度を上げるのかもしれないみたいなこともチラリと話していた。楽しい論文だった。

*1:Zhou XG,Oi FM,Scharf ME, PNAS 103 (12): 4499-4504 MAR 21 2006

*2:ソルジャーの前。そのまんまか。