K研昼ゼミその2

T君(パスタ皇子)の論文紹介:「Modeling gene and genome duplications in eukaryotes」*1
面白い論文だった。。。。しかし、長い!パスタ皇子、ずーっとしゃべってるの。しかも、なんかこまかーいことを丁寧に丁寧に説明し続けるので、途中でめちゃくちゃ眠くなりました。面白い論文なんだから、もちっと要約してしゃべればいいのに。パスタ皇子は気を抜くとディテールを延々としゃべりつづける発表になりがちだ。私と逆。私は要約しすぎな発表になる。私も気をつけよう。
遺伝子重複という現象がある。DNAのある領域がごそっとコピーされるタイプの突然変異なのだが、生物の多様化の遺伝的なメカニズムとして非常に重要視されている現象だ。その重複にも二つのタイプがある。それは、その生物の全部の遺伝子がまるごとコピーされて二倍(またはそれ以上)になるというもの*2。で、この二つの重複のタイプが、どれくらい長く保持されるかということなどを調べた研究。
対象はシロイヌナズナ*3のゲノム。それを大規模な重複(倍数化)と小さな重複に分けて、いつ分岐したのか*4解析。さらに、タイミングと大きさを考慮した遺伝子重複のモデルを考案して実際のゲノムと比較した。
それによると、1)古い重複は残りやすい、2)発生などに関わる遺伝子の重複は大規模なものの方が残りやすい、などということがわかったようです。
面白い!重複のタイプによって、保持されやすさが違うってのがいいなぁ。しかもモデルと実データを比較しているところも良い。それに皇子の最後のスライドも、自分の研究とのからみが説明されてて良かった。

*1:PNAS,102,5454,2005,Steven Maere, Stefanie De Bodt, Jeroen Raes, Tineke Casneuf, Marc Van Montagu, Martin Kuiper, and Yves Van de Peer

*2:倍数化という

*3:むかーし学会で、うちのK先生が発表しているときにArabidopsisの和名を思い出せなくて、Q大の偉大な数理生物学のI先生に、教えてもらってたことがあった。。。のを思い出します。

*4:点突然変異の同義置換数から