カウフマンの「自己組織化と進化の論理」

 やっと2章まで読み終わりました。おそっ。まぁ、いい。まったりね。どうせ1999年初版の本(原著は1996年)を今頃読んでるくらいなんだから、ちょっとくらい遅くたってね。寝る前にちょこちょこ読んでいると、どうも内容を忘れてしまうことが分かったので、一回につき1章ずつ読むことにしました。
 2章には、ランダムさだけを前提にしたとき、生命の始まりがどれくらい確率の低いものかということが書いてある。想定できる試行回数の最大値に比べて、あまりにも生命が始まる確率が低いと言う話。(だから自己組織化というメカニズムが必要なんだ!という主張は3章らしい)これを読んでいて、二つの疑問が。

  1. なんで遺伝情報はアミノ酸じゃなくてヌクレオチドによってコードされるのか?:なんでかなぁと考えているうちに、ふとプログラムのオブジェクト指向カプセル化の概念と似てるんじゃないかなと思いました。例えばアミノ酸で遺伝情報をコードすると、ヌクレオチドでコードするのに比べて遺伝情報の変更が容易に起こるんじゃないかなぁと。や、わからんけどさ。アミノ酸の方がヌクレオチドよりも反応性が高いとか?
  2. なんでヌクレオチドは5種類なのか?:5種類以上は存在し得ないとかいう、化学的な制約が多分あるんだろうけど、もしそういう制約がなかったとしたら、どうなんだろう?4(5)種類以上のヌクレオチドを扱うコストとベネフィットの問題になるような気がする。4(5)種類の分子を正確に作るための機構、変な形に出来たヌクレオチドを見つけ出して壊す機構、正しい順番で並べる機構、鎖が壊れたら直す機構、の少なくとも4つを維持するコストがあるはず。ヌクレオチドの種類が増えれば増えるほど、保持したい情報に対する鎖の長さは短くてすむ。一方で種類が増えれば増えるほど、それらの分子を正確に維持したり、並びを正確に維持したりするコストは増えるだろう。それらのコストとベネフィットがつりあうのが5種類っていうのだったら、結構面白いな。でも多分そう単純には計算できないんだろうな。こういう研究って誰かやってないのかなぁ。

 こういうことを考えてわくわくしながら読める本というのは楽しいです。自己組織化がどの程度妥当なものなのかはよくわからないけど、でもこういう本は好き。