静岡の国際シンポジウム

 だいぶ時間がたってしまいましたが、ちょろっと感想を書いてみたいと思います。シンポの頃には、もうハクモクレン(?コブシ?)が満開でしたが、仙台では今頃(4/5)つぼみがほころんでいたりします。やっぱり仙台は東北なんだなぁ。


 この国際シンポは、全体にLectureと一般講演とポスター発表から成り立っていました。Lectureはシステムダイナミクスなどのモデル手法を使って(実際の生物を使っている人も少しいた)生態学の研究をしている研究者たちの講義で、全日程の半分以上を占めていました。全部を聴いてはいませんが、個人的に面白いと思った講義ベスト3は、Sperm Competitionの話をされたG.A.Parkerさんの講義と、人間活動が森林と湖の系にどのような影響を与えるのかという話をされた巌佐さんの講義、Stoichiometryと捕食-被食系の話をされたY. Kuangさんの講義でした。どの講義も、対象の系とモデルの関係がバランスよく話されている講義だったように思います。

 
 全体的にモデル屋さんの多いシンポジウムで、どうしても数値計算やシミュレーションの研究に偏ってしまうのは仕方がないのかもしれませんが、何のためのモデルなのかが説明されなかったり、その結果が対象生物や対象の系においてどういう意味を持つのかの説明が不足していると感じられる発表が、Lectureにすらも結構含まれていて、私にとってはそれがちょっと残念でした。例えば、あるパラメータを大きくするとシステムが発散すると言われても、そのパラメータが実際には何を表すのかを説明してもらえないと面白みを感じにくいようです。もっと実際の系の研究をしている人たちとの交流が必要なのではないかと感じました。もしかすると私の英語力不足で聞き取れなかっただけかもしれませんが。。。


 それとは別に、個人的にはとても楽しいシンポでした。というのも、今まで自分と同じようなプランクトン群集を対象にしてモデルを使って研究している人に出会ったことがなかったのですが、そういう方たちが沢山おられて、良いアドバイスを頂いたり、お話させていただくことが出来たのです。これはもう本当に身になって楽しくて嬉しかったことでした。惜しむらくは、チャンスを逃してしまってY.Kuangさん*1に話しかけにいけなかったことでした。これからはもっと英語力を使い物になるようにすることが課題だと感じました。


 それにしても、何年か前の進化学会の宴席でご一緒させていただいた京都大学のYさんが「挨拶されても気付かなかったよ。だってK研の人がこのシンポに来るとは思わなかったんだよ。」とおっしゃっていたのは、笑っていいのか困っていいのか、という気分でした。いや、まぁ確かに数理生物学会には誰も顔を出さないので仕方ないですが。これからはちょくちょく顔を出そうかな。


 写真は会場の静岡大学浜松キャンパスで見つけた、セイヨウでないタンポポです。何タンポポだろうか?あまりに可愛らしかったので撮ってみました。地面にひっついて撮っていたので通りがかりのシンポ関係者にくすくす笑われたのが恥ずかしかったです。

*1:Stoichiometryの捕食-被食系モデルの世界的研究者の一人です。